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弱っている君からの一撃必殺

生理ネタにつき要注意。
珍しく一護が攻めてみてます。恋次が酷いヘタレで書いてて心配になった。←


――――――


 
「よぉーっす」
「む、恋次ではないか」
 
十三番隊の隊舎を訪れた恋次は、勢い良く戸を開けた。
ルキアは恋次の訪問に顔を上げた。恋次と幼馴染であるルキアは当然挨拶を交わし、そして他の隊員たちもすっかり慣れた様子でにこやかに頭だけで挨拶をした。普通、他の隊の隊長格が来たら一斉に立ち上がり唾が飛び散る勢いで挨拶をし、誰がお茶を出すか給湯室へ雪崩れ込むのがセオリーと言うものだが、恋次に対してのみはそんな仰々しい態度をする者はいない。
だがそれは決して十三番隊の隊員が礼儀知らずなわけではない。
六番隊が十三番隊に用向きがある時、大抵は恋次がやって来る。お遣いごとなんて仮にも一隊の副隊長である彼がそうすることではないのだが、この十三番隊は別だった。なぜならこの隊には黒崎一護がいるからだ。
仕事と称して、一護会いたさに恋次は十三番隊へのお遣いを自ら買って出るのだ。因みに、他の隊へのお遣いは必要に迫られなければ部下にどんどん押し付ける。
そのことを知っている十三番隊の隊員たちは、しょっちゅうやって来るこの副隊長の恋路を温かく見守っているわけだ。
 
「これ海燕さんにーって、あれ海燕さんいねーの?」
「海燕殿は浮竹隊長の付き添いで八番隊に出向かれておられる」
「あっそ、急ぎじゃねぇから預けてって良いか」
「構わぬ」
 
数枚の書類を海燕の机に置くと、恋次はキョロキョロと室内を見渡した。誰を探してるかなんて一目瞭然で、数人の隊員がクスッと含み笑いを零した。
 
「一護は今日は来ておらんぞ」
「え? 今日非番だったのか」
「非番ではない、欠勤だ」
「欠勤っ!?」
 
自分が言うのも何だが、元気が取り得みたいなあの一護が仕事を休むなんて、と恋次は信じられなかった。
いや、休みだからと言って病欠とは限らない。何か用事があるだけ……仕事大好きの一護が仕事を休んでまで済まさなければいけない仕事って一体何だ!!
悶々と考え込んでしまった恋次に、ルキアは呆れたように溜息を吐いた。
 
「病欠ではないから安心しろ」
「じゃ、じゃあ……」
「病欠ではない、が……ま、似たようなものか」
「どこか悪いのか!?」
「悪いわけではない」
「何なんだよ、勿体ぶるなって!!」
 
ルキアは身長差の激しい恋次の慌てた顔をチラッと見上げた。
 
 
「い、……一護っ!」
 
寮の一護の部屋の前まで来てみたものの、恋次はなかなかその戸を叩くことができなかった。やっとの思いで呼んだ名前も、中に届いているのかいないのか。
余計なことを聞くんじゃなかったと恋次は後悔せずにはいられなかった。
 
『生理休暇だ』
 
一護だってそりゃ女の子なのだから生理ぐらいあるだろう。だが、まさかこんな所で一護の女の子の部分を目の当たりにするなんて心の準備ができていなかった。(目の当たりにしたわけではなく、聞かされただけというのが正確なところである)
暫く待っても返事はなく、やはり届いていないのかともう一度呼んでみようとした時、中から僅かに声がした。
 
「……いい、」
「一護?」
「恋次だろ……入って、良いから」
 
消え入りそうな声に慌てたが、恋次は意を決して戸を開けた。
戸を開けると、灯りも点けていない薄暗い部屋の奥で確かに一護の気配は感じるのに、それはいつもと比べられぬ程に弱々しい。部屋の奥に敷かれた布団の小山が僅かに動いて、見たかったオレンジがヒョコっと顔を出した。
 
「……何か用?」
「見舞いに来てやったっつーのに、その言い草か」
「病気じゃねーっての」
 
病気じゃないのに一護の顔は真っ青で、言葉に力も入ってない。布団の横に座って、蹲る一護を見下ろすとこんなに小さかっただろうかと恋次は不思議な気持ちになった。
 
「その、酷いのか……せ、せ」
「生理痛な……まぁ二日目だし」
「そ、そか」
「……照れるなら最初から聞くな馬鹿」
 
ツッコミながらもやはり痛むのか、時折険しくなる表情。
見舞いに来たなんて言っても何をしたら一護の気が休まるのか、男の恋次には分からなかった。こんな時、修兵なら何か得策を知っていそうだと思ってしまうからあの人も分からない。
アワアワする恋次に一護は力なく笑った。
 
「大丈夫だよ、死にゃしないから」
「でも……さ、」
「んー?」
「やっぱお前が苦しいのは、嫌だし。仕方ねぇことかもしんねーけど」
「……」
 
思わずほわっとしてしまったことを、一護は黙っていようと心に決めた。
 
「なんか俺にできることねーのかな」
「……じゃあ、さ」
 
一護は掛け布団をそっと退かした。突然露わになった寝巻姿に恋次は思わず唾を飲み込んだ。ゆったりとした寝巻にも関わらず、腰紐の部分だけやたら細いところや裾や袖口から覗く手首足首でその身体の細さが手に取るように分かってしまう。
横向きの身体を少し倒してうつ伏せ気味にすると、一護は目だけで恋次を見上げた。
 
「撫でて」
「……はっ!?」
「腰、痛いんだって。だから腰撫でて」
 
弱った上目遣いでそんなお誘いを頂いてしまったにも関わらず、その細腰に飛び込まなかった自分の精神力を恋次はすごいと思った。
プルプルと小刻みに震える右手をそっと一護の腰に置いてゆっくり撫で始めると、痛みが和らぐのか「はぁ……」と何とも色っぽい深呼吸が聞こえ、ビクッと動く左手に思い切り力を込めた。
無音の中で暫く撫で続けると、一護がクルッと身体を反転させて仰向けになった。
 
「今度こっち」
「こっちって」
「お腹」
 
ぽんぽんと示すところが、お腹と言うにはあまりにも下っ腹で。己の髪のように顔を真っ赤にさせ、恋次はバッと立ち上がった。
 
「……っっ」
「れん、あ、オイ!」
 
何か叫びたそうにしていたがこれと言ってに発することもなく、恋次は勢い良く戸を開けて部屋を飛び出して行った。
 
「……意気地なし」
 
 
「ハァハァ、ハァ……」
 
全力疾走で一護の部屋から六番隊の隊舎まで逃げて来た恋次は、荒い呼吸を整えながら拳を握った。今まで一護の腰を撫でていた右手だ。
 
「俺の……馬鹿野郎ぉぉおおっっ!!」
 
 
 
END

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